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ぱちぱち、と弾ける音がした。
視界が赤い。赤く、点滅している。
コックピットという小さな箱の中で、危急を告げるランプが点滅している。
「マリー」
画面に映った、彼女の顔が歪んでいる。
あの頃の面影の濃い顔だった。あどけない輪郭は成人のすっきりとしたものに形を変え、身体のラインも女性らしさに溢れている。あの頃の、簡素な衣服を着せられた、男でも女でもない子供の身体は、もうどこにも見当たらない。それでも、あの頃の姿が容易に重なった。
けれども。
もうそれは遠い存在なのだと、改めて知る。
「マリー」
『その名を、呼ぶな……ッ』
彼女が喘ぐ。ヘルメットに覆われ、更には互いの機体とその間の宇宙という何重もの壁に遮られて。
それでも、その呼吸の一つ一つを、頬に感じた。
「マリー」
『私はマリーではない! 私は、ソーマ・ピーリスだ。超人機関技術研究所出身、地球連邦直属独立治安維持部隊に所属、階級は中尉で――』
そう、あの子は、自分といつも行動を共にしていたあの少女はもういない。
硬いものが砕け、捻じ曲げられる音がする。直ぐ傍らに開いた巨大な穴が、それを埋めるように突き出た剥き出しの巨大な刃が、一層深く刺し込まれる。
『――そして、
ショートする回線。悲鳴のような音を上げる機体。
ぱぁん。大きな火花が散った。
『待って、いるんだ……ッ、…アレルヤ……!』
震える唇は赤かった。
淡い色の唇。噛み締めすぎて白くなったそれの表面を、破れ流れた赤が彩っている。
拭おうとして、手は届かないのだと、改めて気づいた。
「そうだね」
あの少女はいない。自分が誰よりも守りたかったあの少女は、もう、いない。
けれど。
「そうだね、――ソーマ・ピーリス」
『……ッ』
その存在が、少女と同じものであるならば。
「しあわせに」
そして、白い閃光が奔った。
うっかりトランザムで#3を見たらこんなんができあがりました。駄目だよ自分、勉強しなきゃ!
兄貴至上は当然なんですが、基本的にNCも大好きです。リヒクリさじルイにはぜひもっといちゃいちゃしてほしかった。さじルイ、がんばれ……!
でも、あれだよね。二期になってようやくロマンスのかほりがしなくもなくなってきたけど、基本的にOOって恋愛要素は薄い。刹マリもロクフェルもアレソマもセルソマも、みんな憧れとか兄弟とか親子とかそんな感じです。その辺りの甘ったるくならない加減が本当に大好き。